救い


『俺なんか、生まれてこなきゃ良かったのかな。』

 そんな思いはいつだって自分から離れる事はなかった。
生きてる事は酷くまどろっこしくて、危険の中で大怪我でもしてた方が
(っても、そんなに簡単に死なないし、怪我なんかしないけど俺。)何だか酷く実感があって。 でんじゃらすな男って奴?

 なのに、笑ってるんだよ俺。

「もう!ウルったら!」
 なんて、言いながら小さく握った拳をコツンと俺の上に落とす女は、全然弱っちくて、細くってまぁなんだ、凄く可愛んだけど。

「会いたかったから。」そう言ってくれた。

 俺に会いたいってそう言ってくれた。だから、俺はきっと笑っていられる。

 世界なんかおれにはわからない。だって、地名も覚えらんないもん俺。

 でも、あの子と一緒にいられる場所は大切にしたいだろ?一緒にご飯も食べたいし、遊びたいし、ちょぴりすけべな事もしたいから

 だから…俺は世界を救いたい。

〜Fin



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