告白の有効期限(TV版) Ferio 魔法騎士達が、地球に帰ってしまってからどれほどの月日が流れたんだろう。 想い出の場所。もう、闇の中で稲妻が走る空ではないけれど、夜の静寂に隠された今は、僅かでもあの時を思い出させてくれる。 硝子に寄り掛かったまま、フェリオは思いを馳せた。 笑ってくれと告げた言葉の通りに、彼女はいまでも綺麗な笑みを絶やすことなく微笑んでいるのだろか。 幸せに暮らしているのだろう。きっと、彼女のことだ、上手くやっているに違いない。それだけは確信出来る。 そのことは、フェリオに安堵と共に、激しいもどかしさを植え付けていく。 様々な想いを込めて告げた言葉達。抱き締めて、愛おしいと囁いた。 嘘も偽りもない心からの思いだったのだけれど、こうして逢う事の叶わない今となっては、彼女を縛り付ける鎖になっているのではないかと…そんな事が頭に浮かんだ。 ふるりとフェリオは頭を振った。 違う、そうじゃない。 彼女の(フウの心)を、ただ留めて置きたいと願っているのは自分の方だ。 何も出来はしないのに、何をしてあげる事などないというのに、フウという少女の中から自分という存在が消えてなくなってしまうことが嫌だという、我が侭な願いを己の胸の中に飼っているだけだ。 辛い思い出が多い場所。それがセフィーロだったはずだ。 全てを忘れて、そうして彼女が望んだ人生を歩んでいたとしても、一体誰が彼女を責められる。 一体いつまで、自分という存在や、その言葉は彼女の中に留まるのだろうか。 会いたいと想う。フウの中に残った、自分の言葉が全て消えてしまう前に。 〜Fin
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