kissの間


彼があまりに無防備だったから。

つい悪戯を仕掛けてみたくなった理由はそんなところ。

いつも取り澄ました表情をしているけれど、意外に表情豊かなのを知っているのは私だけかも。

そっと、近付いて、頬にkissをする。

大きな瞳が更に見開かれると、ぽかんと口が開く。

「ウ…ウミ?」

え?それで終わりなの?
海は、固まったままのクレフを見つめて小首を傾げた。
kissしている間考えていたのに。どんな表情になるのかなって…。
もっと驚いてくれると思ってたのに。

「ウミ、驚きすぎると反応が鈍くなるのよ。」
隣でプレセアがそっと耳打ちしてくれた。

………なるほど。



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