「避けて通る訳にはいかないようですが、私は先を急ぎたいのですけど。」
「そうは言っても、簡単には通してくれそうにないぜ。」
 剣を構えたふたりの前に、ふいに二人の少女が姿を現した。
赤い髪の勇者と青い髪の勇者。ふたりは、フウとフェリオの前に立ち、振り返る。
「ヒカルさん、ウミさん!」
 フウの感嘆に、ヒカルが満面の笑みを浮かべた。
「助っ人に来たよ! 
 イーグルやランティスやアスコットは外で魔物を食い止めてくれてるんだ。」
「クレフが助けに行けって五月蠅いんだもん!」
 ウミは言葉を続けてから、アルシオーネを指さした。
「フウの邪魔はさせないわよ、おばさん!!」
「なんですって、この小娘!!!」
 別の火種が生まれている様子だったが、カルディナは妙に感心したように眺め、そして笑った。
「なかなか、楽しませてくれる展開やっちゅうことやな。」

「後はおまかせ致します。ヒカルさん、ウミさん!」
「よろしく頼むぜ!」
 そうして、フウとフェリオは振り返る事もせず。階段を駆け上がって行った。  


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