「もう、貴方と戦う理由はありませんわ。」
 フウはそう告げると、階段を上り始める。
「決着はついたはずではありませんか?」
「ふざけないで頂戴、いつついたと言うつもりなの?」
「これ以上無益な戦いはしたくない…アナタは先程そうおっしゃいましたわ。」
 しかし、凛とした態度のまま、フウはフェリオを伴って階段を上がって行った。

 …。
 アルシオーネは腰に腕を当てたまま妖艶に笑った。
「負けた?…そんなこと認めない、絶望を味わうといいわ。本当のね。」

 けれど、アルシオーネもまた魔窟の入り口へと姿を消した。  


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