0点になったフェリオに、カルディナは目を見開いた。
彼の手元にカードはなく、けれど自分の手元にも(あの厄介者)はない。
 目を白黒させるカルディナに、フェリオは手品師のように袖から取り出した(タネ)を明かしてみせた。
 それは裏面に何も描かれていない真っ白なカード。
「初めて封を切るカードには、大概これが入っているからな。
 コイツは、単品だとジョーカーになったりする厄介者だ。これで、俺を引っ掛けるつもりだったんだろ?」
 図星をさされ、カルディナは息を飲んだ。
「そうなんですか、私ではわかりませんでしたわ。」
 カードで勝負事などしないであろうフウが、そう呟く。
「それにしたって、うちは目が良いんよ!抜いたんなら、わかりそうなもんや!!」
 自分も狡をしようとしたはずだが、カルディナの抗議にフェリオはクスリと笑う。
「俺は手品が得意なんだよ。」
そして、こう言葉を続けた。

「魔王の住む場所について、教えてもらおうか。」



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