フェリオの声に、フウは息を飲んだ。

「旅の途中で、何度も何度も考えた事があった。
 なんで俺は、こんな事をしてるんだろうって…。でもいつだって、結論はたったひとつの答えにしかならなかった。」

 姉を見つめて、フェリオはきっぱりと言い放つ。

「ただ俺は、フウを守りたいんだ。」

 佇む姉に剣を構える。フェリオは苦笑した顔をエメロードに向けた。

「だからこそ、俺は迷う事なく姉上に剣を向ける事が出来る。」
   


next