肌の露出が激しい衣装を身に纏った女性が、ふわりと身を躍らせる。

3児の母様


「こんなに、ビュリホでワンダホなうちをこないに待たして、悪いお嬢様方やで。」
「お嬢様って、俺も入ってるのか?」
 ウンザリした顔になるフェリオを置いて、フウは(はじめまして)とペコリと頭を下げた。
「行儀ええんやな。」
「どなたですの?」
 猫に似た瞳を細める女性は高く結った紅色の髪を艶っぽく掻き上げる。フェリオとフウを見つめて、口角を上げた。
「…おたくら、ラファーガをどないしたん?」
「ラファーガさん?」
 女性の問い掛けに、フウは小首を傾げた。
「大変申し訳ありませんが、存じ上げませんわ。」
 ニコニコと微笑むフウに、暫く何か考えていた様子だったが、今度はフェリオに向き直った。
「あんさんは?」
「聞いたことのない名前だな。」
 ふうんと女性は、呟きまぁええか頷いた。
「嘘つこてる様には見えへんな。でもまぁ、仕事があるさかい見逃してあげる訳にはいかへんな。」
「何?」
 クルリと優雅に身を躍らせると、鈴の音が軽やかに鳴った。
「うちの名はカルディナ。本業は踊り子なんやけど魔王さんに雇われててな。勇者を痛めつけるよう言われてんねん。」
 ニコリと微笑むカルディナに、フウはまぁと声を上げた。
「前には壊れかけた橋、後ろには魔王関係の方、ピンチですわね。」
「落ち着いてる場合か!どうするんだ、フウ!」
 剣を構え、フェリオが問う。


崖へ向かう
橋へ向かう
戦う