「お気持ちだけ頂いておきます。」
 フウはそう告げると、プレセアに会釈をした。それを見ていたプレセアはにこりと微笑む。
 そして胸元から取り出したオーブをフウの掌に乗せた。重厚な輝きを持つオーブにフウは目を瞬く。
「これは…。」
「貴方ならそう言うだろうと、導師クレフがおっしゃっていたの。そして、これを貴方に渡して欲しいとお預かりしていたのよ。」
「この輝きは強い魔力を秘めているようですけど。」
「そうね、導師の魔力を込めたモノよ。きっとあなた方の力になってくれるわ。」
 プレセアはにこりと微笑むと、両手を前で握り祈るように目を閉じる。
「お二人の旅に神のご加護がありますように。」




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