…あの、ところで何の勝負をなさるんでしょうか?」 指を付き付けるアルシオーネにフウは小首を傾げる。 「なんだっていいわよ。」 フンと鼻を鳴らすアルシオーネに、フウは微笑んだ。 「それは、困りましたわ。アナタの得意なものを選んではこちらが不利ですが、私の得意なものでは、狡い勇者になってしまいますから。」 と、フウのスカートをツンツンと引っ張るものがいた。アスカは、そうして注意を自分に向けてから胸を張る。 「わらわが決めるのじゃ!」 フウは目を瞬かせたが、いいですわよ。と頷いた。 自分で何でも良いと言ってしまった手前、アルシオーネも渋々頷く。 うむうむ。 と得意気なアスカと旅人をサンユンはおろおろと見遣った。 「で、どっちが勝負するのじゃ?」 「俺が相手をしよう」 「私がお相手致しますわ」 |