「そもそも、どうしてこのような事になったのでしょうか?」
 ずいとカルディナの前に身を乗り出したフウが問う。
「な、なんや藪から棒に…「納得いきませんわ。」」
 キラリと光った翡翠に、たじろいだカルディナの様子にフウは柳眉を上げた。
「いつですか、何日の何分何秒に仰ったのか、正確にお知らせくださらないとわかりませんわよ!」
「は、はい?」
 フウの形相に、たじろぐカルディナに、しかしフウは畳みかけた。
「曖昧な理由で、こちらに否があると言われて追い回されるんなんて迷惑ですわ。所謂、日本の法廷は証拠主義なんですから、しっかりとした証拠品でなければ
有罪は勝ち取れませんわよ。
 そもそも、自白などという幾らでも捏造出来る言葉に頼っていらっしゃるなんてどういうおつもりですか!」
 ガンガンで捲し立てられ、口を挟むことが出来ずにううと呻る。
 
「出直していらっしゃいませ。」

 大阪人が口で負けるなんて…

 とカルディナが思ったかどうかはわからないが、ガックリと頭を垂れた彼女を場に残し、勇者ご一行は意気揚々と去っていった。



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