「何があるかわからない旅ですもの、頂けるものは貰いましょうね。」

 微笑むフウに、フェリオは背筋に冷たいモノが走る。
 案の定、沈黙の森を出るまで、大きな葛篭を背負わされた事によって、その存在はかなり目立つ事となり、魔物に追い回される羽目に陥った。
 残念ながら、森を抜ける頃には、葛篭は魔物に食い破られ中身はカラッポになっていて、何が入っていたのかすら知ることさえ出来なかった。



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