「まあ、どうしたの?」 寝不足を絵に描いたようなフウとフェリオの様子に、プレセアは小首を傾げた。 「どうしたも、こうしたも、あのモコナって奴が…。」 これなら、本当に野宿の方が数倍マシだったと愚痴るフェリオに、プレセアはキラリと目を輝かせる。 「…折檻ね。」 うふふ〜〜と笑い上げる美女の姿にフウの笑顔もひきつる。 「どうなさいました?プレセアさん。」 しかし彼女は、右手を口元に翳し、片方の手で腰を掴みながら思う様仰け反った。そのまま、ほほ〜と声を上げる。 「お耳がどこまで伸びるか〜略〜おーほほほほほほおほほ!」 ![]() 高笑いをするプレセアは、何処か遠い世界へと旅立ってしまったかに見えた。もう何を言っても無駄だろうと、ふたりは宿を出る。 それを見咎めて、プレセアは正気を取り戻した。 「ああ、ちょっと待って!!」 ハッと我に還った様子、奥の部屋に引っ込んだかと思うと大きな葛篭を三つ持って戻ってくる。 「此処に泊まった勇者ご一行様にはお土産を渡す事になっているの。好きなモノを持っていって頂戴。」 ででんと前に置かれ、フウとフェリオは顔を見合わせた。 「まあ、どれにいたしましょうか?」 問うように視線をフェリオに向ければ、勇者様におかませするさとウインクを返される。 ![]() 「そうですわね…。」 フウは暫く思案して →大きな葛篭を手に取った →中位の葛篭を手に取った →小さな葛篭を手に取った |