どれほど時間がたったのだろうか、やっと本格的な睡眠に入ろうかという時間帯に、 フウの悲鳴が響いた。
 すわ魔物かと慌てて駆けつけたフェリオは、白いふわふわした生き物が、好き勝手絶頂に暴れ回っているのに絶句した。部屋が荒れ放題なのは、コイツのせいかと目を丸くする。
「な、なんだこれ!?」
「フロントでプレセアさんと一緒にいらした方ですわ。確かモコナさんとか、窓からお入りになって、こんな狼藉を…。」

3児の母様


 ポヨンポヨンと柔軟性のある体質を活かして、あちこち飛び回り壁に当たれば、結構な勢いで跳ね返ってくる。
「おい、お前やめ「ぷぷぷぷ〜〜〜!!!」ぐはっ…!!」
「フェリオさん、無闇にあの方に近付くと危険ですわよ。」
 顎に強烈なアッパーを喰らい酷いダメージを受けたフェリオは、怒りの形相で追いかけ回すが、肝心のモコナは遊んで貰っていると勘違いしたのか、さっきよりも勢いよく跳ね始める。
「ぷぷぷぷ〜〜〜!!!」
 そうして、窓から侵入した狼藉者が、窓から出ていったのは東の空にでかでかと太陽が昇った後だった。



next