フウの顎に指を掛け、上を向かせ唇を重ねた。
彼女の瞳が驚愕に見開かれた瞬間に、風の魔法がフェリオの身体を拘束し、空へと舞い上げる。
「ぅわ!!こら!降ろせ!!!!」
 しかし、フウはにっこりと微笑んだ。
そして、部屋の扉を開いて、不埒な輩を部屋から廊下へと叩き出した。それでも、フェリオは宙づり状態のまま。所謂おしおきというものだろう。
「こういう事は、もっとお互いを見知ってからにいたしましょうね。明日も早いですのでよろしくお願い致します。では、お休みなさい。」

3児の母様


 笑顔は絶やさず、しかし温情の欠片もなく扉を閉めると何事も無かったようにベッドの枕をポンポンと叩いてシーツの中に潜り込み、扉に背を向け目を閉じた。
「ちょっと待て!!!降ろすか、解くかしてくれ!!!!
 悪かった!!調子に乗った、謝るから!!!」
 フェリオの叫び声を子守歌に、フウは安らかな寝息をたてていた。



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