indications of put an end 一旦部屋へ戻り、あれこれと思案しているとノックの音がした。 先程の事もあり、すこしばかり用心してチェーンを掛けたまま扉を開くと、ピオニーは息を飲んだ。 その小さな隙間には、見慣れたマネージャーの顔があった。 動きを止めたピオニーの腕を掴み、隙間からチェーンを外す。 「アスラン、何でお前!?」 「連絡を受けて心臓が止まりました。荷物を纏めましょう、帰りますよ。」 普段は柔らかな物言いの男が、きつい眼差しと言葉でピオニーに対峙する。返事の有無など聞く様子もみせずに、部屋を片付け出した。 「…けど…。」 「貴方には関係のない事です。」 言い訳も説明も一切とりあって貰えず、アパートに横付けされたタクシーに押し込められる。告げられた空港の名にただ焦る。 「アスラン、せめて話しだけは…。」 「一切耳を貸すな。ジェイドさんから私への伝言です。」 ぴしゃりと言い放たれ、ピオニーは諦めたように、シートに座り込んだ。この剣幕では、トイレの個室に入っても監視されそうな勢いだ。 逃げ出す事を諦めたピオニーは、遠ざかっていく景色を見つめる。その中にいるだろう男の姿をに思いを馳せるしかなかった。 〜fin
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