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indications of put an end そのまま、ぐいと胸元を掴まれ引き寄せられる。 驚きの声を発する間こそあれ、口付けられた。躊躇なく差し入れられる熱い舌の感覚に、ピオニーは目を見開いた。 これ…って…。 惚けたままに、受け入れ離れていくそれに、やっと得心がいった。 「おわかりですか?」 ジェイドの瞳が、微かに揺れて。くつりと笑みが浮かんだ。 「安心したよ。」 そう告げると、ジェイドは怪訝な雰囲気を微かに滲ませる。 大佐にあんな貌させる人なんて、始めてみました。アニスの言葉が蘇って、 これはどうも、自惚れても良い事態のようだ。とほくそ笑む。 「夢に見るほど、お前に恋焦がれているのかと…思ってた。」 抱き締めて抱き締められて、離れたくないと相手を求める。 身体を支配する圧倒的な感覚に思考の全てを持っていかれて、次の行動なんて思いつきもしなかった。離れたくなくて、ただ欲しかった。 そんな気持ちを自分だけが持っているのだとそう思っていた。一方通行で終わるんだろうと信じて疑わなかった願いだったのに。 「お前も、好きでいてくれたんだな。」 手でたくし上げた前髪をくしゃりと潰す。どんな貌をしていいのかわからなかった。嬉しいとただそれだけを思ってどんな行動をとるのが良いのかわからない。 ふいに伸びてきた腕が、再びピオニーを絡め取る。 「ジェイド…?」 「馬鹿…ですね。帰したくなくなるじゃあ、ありませんか。」 耳元で囁かれる声に、ぞくりと背筋が震えた。明らかに感じる快楽に、ピオニー焦ってジェイドの腕から逃げ出す。アスランはいない。ピンチだ。 「もちろん、今はこれ以上はしませんよ? ただ、今度お会いした時、は止めなくてもよろしいでしょう?」 クスクスと笑うジェイドにからかわれた事はわかったが、相手の言わんとすることを理解して、ピオニーは複雑な表情になる。 「アホ…。」 帰国した先に、どうにも眠れぬ夜が続きそうだとひとり語ちた。 〜fin
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