indications of put an end


 差しだされた手をじっと眺めていると、ジェイドがクスリと笑う。
「握手ですよ?」
「あ?」
 白くて細い綺麗な指が、自分の褐色の手を握る。混ざり合う事は無い何かのような錯覚が、僅かに表情を曇らせた。

「どうしてそんな顔をするんです?」
「いや、別れはいつだって、寂しいものだからな。」
 離れていく男を見つめて、躊躇いがちの笑みを浮かべた。そうして、僅かに緋色の瞳が揺れた気がして、心がざわめく。

「また、来る。」
 
 この思いを告げる事はないかもしれないが、恐らくかけがえのない友を得たという事実だけは、間違いではないはずだ。

「今度は、貴方を守る仕事が出来るといいのですが?」

 造りものじみない、笑みがジェイドの顔に浮かぶ。勿論だと言い放つと、今度は呆れやがった。

「楽しみにしていますよ。」
「俺もだ。」
 飛行機の時間がと、アスランが階段の下から叫び、ピオニーは慌てて走り出す。クスクスと、ジェイドが嗤っているのがしゃくだが、まぁ上々だと思う。
 
 約束は確かに交わされたのだから。

〜fin



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