indications of put an end


「なるほど、死体…ですか。」
 ジェイドは床を一瞥したのちに、そう呟いた。口元に指をおいてから、眼鏡を指で押す。
「…お前、この男が誰なのか知っているな?」
 眉を潜めたピオニーに、ジェイドはおやと表情を変える。そして、目を細めた。
「貴方には隠せませんね。私はガードの仕事を引き受ける際には、周囲の人間から調べる。そう言いましたね? 事前のチェックが肝心です。」
「思わせぶりはいい、この死体は何なんだ。」
「某国の諜報員です。最も、亡命中の上、本国に追われていると聞いています。」
「なんでそんな奴が此処にいて、殺されなきゃならないんだ。」
「…彼は、ファブレ侯爵と取引を望んでいました。侯爵は、企業家であると同時にすぐれた政治家でもありますから。」
 其処まで告げて、ジェイドはにこりと微笑む。
これ以上は立ち入らせない。その笑顔はピオニーに釘を刺していた。





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