indications of put an end


 ホテルの最上階。フロアの全てはレストランだった。貸切となっていたそこで、客はたったの四人。ピオニーと、ファブレ侯爵そして、ふたりの子供。
 周囲に配置された人間は全てボディガードなのだろう。ジェイドもピオニーの横で、ファブレ侯爵をその視界に捕らえている。
 屈強の男達に囲まれたピオニーは、ふうと溜息を付いた。こうなってくると味すらよくわからないし、落ち着かない。
 けれど、そわそわと落ち着かないのはピオニーだけではなかった。
 ファブレ侯爵も、時々視線をピオニーに向けはするものの、黙り込んでいるし、その子供達も何処か落ち着かない様子で、チラチラと交互にピオニーを見つめていた。
 そんな状態では会話が弾む訳もなくただ気まずい。
 マナー違反にはなるけれど、トイレで一服するかと立ち上がったピオニーは、その位置をジェイドに確認しようと話し掛けた。
 途端、ふたりの子供は同時に立ちあがった。
「僕が案内してあげる!」
 挙手されて、面食らったピオニーに、ジェイドは好きな方を選びなさいと耳打ちをした。

→アッシュと行く
→ルークと行く


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