indications of put an end


 重なった唇は柔らかで、確かに夢と同じ感覚だった。
 いや、違う。あの夢はもっと深く、身体の芯から痺れるような…。
ぼおっと見つめていると、緋石がふっと細くなる。自分は随分と物欲しそうな顔で彼を見つめていたのだと、ピオニーはやっと気が付いた。
「随分と大胆なんですね。誘っているんですか?」
 耳元で囁かれた言葉に、今度は完全に正気に戻る。はっと身を引き、ピオニーはジェイドを睨んだ。やれやれとジェイドは両手を上げた。
「まるで、私が襲ったみたいじゃないですか。そんな目つきはナシですよ。」
「す、すまん。これは何かの間違いだ。あの夢が悪いん…。」
 口元を手で覆い、真っ赤な顔でピオニーは顔を背ける。その様子にジェイドは、眉を微かに潜めた。
「夢…そう夢ですか。」





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